仏さまへのお供え物「飲食供養」には、お仏飯・お茶湯・お膳などと、お菓子・果物などのご供物類があります。
お仏飯・お茶湯
「仏さまは湯気を召しあがる」といわれますので、お仏飯は炊き立てのお初のご飯を形よく盛り付けます。
お茶湯は汲み立ての水(お湯)またはお茶を毎朝、茶湯器に入れてお供えします。茶湯器が一対の場合は、ご本尊に向かって左に茶器、右に湯器を置きます。
以前は右に茶器、左に湯器であった時代もありました。どうして変わったのかはわかりませんがこのような考察ができます。
ある法則に従ってどこに置くかが決まってきます。仏壇を設置する方角も関係してきます。仏壇を設置する方角に絶対にそうしなければいけないという決まりはありませんが、東向きか南向きであれば申し分ありません。
その理由は東向きに設置するとご本尊ご先祖さまが西にいらっしゃることになります。西方浄土を拝む形になるからです。なるほど東向きがいいという意味はわかりやすいです。
ではなぜ南向きという方角が出てきたのでしょう。古来、本尊は南向きに設置するといわれてます。そこには何か理由が隠されているはずです。
実は、南向きに設置すると東側が向かって右にきます。東側は日が昇る方角ですのでスタートの方角であり、舞台では上手(かみて)であり、左大臣が右側ですので上座となるからです。
つまりお供えするものは心のこもった大切なもので順位をつけることはできませんが、敢えて順番をつけるとすれば向かって右手にお供えする物が左手に供えるものより多少「大事なもの」だという公式がそこにはあるということです。
そうしますと、以前は水よりお茶の方が高価なものであったので向かって右に「茶」でした。
ですが、現在は「仏に奉るは一飯一水のみ」という本儀に従って、先ず優先すべき「水」を右にお供えするようになったのではないかと考えられます。
ご供物
ご供物の供え方には昔から左右対称にお供えする場合は、中央に近い方から干菓子(落雁など)・生菓子(まんじゅうなど)・水菓子(果物)の順に並べます。
まったく同じではないけれども、同じ種類のもので左右一対の場合は向かって右側に濃いものを並べるという心得が伝えられています。
ご供物は高坏か三方に盛り供えますが、三方を用いる場合には穴のない面を仏さま側に向けます。左右対称でない場合、向かって右が上の法則に従って、菓子は手を加えた献上品のため右に、果物は左に置きます。
その他
お供えものとして、その他にも法要に応じていろんなものが出てきます。
上、下の原則で理解しておくと、およその配置が出てきます。
紅白餅→中央
野菜は果物の外側
塩と米は塩が内側(向かって右)
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お酒や魚肉類などは普通はお供えすることはありませんが、故人が好きだったということでお供えする場合が出てきたら、一番外側、一番向かって左側、一番仏さまから離れた手前側に置きましょう。