早苗を植える「早苗月(さなえづき)」が略されて「さつき」となり、後に「皐月」の字があてられました。「皐」という字には水田という意味があります。また、「サ」という言葉自体に田植えの意味があるので、「さつき」だけで「田植の月」になるとする説もあります。 「菖蒲月(あやめづき)」の別名もあります。
春の二十四節気 穀雨 の圓應寺の行事
・牡丹華(ぼたんはなさく)4月30日頃
牡丹が大きな花を咲かせる頃。豪華で艶やかな牡丹は「百花の王」と呼ばれています。
百花の王である牡丹が開花し始める頃。美しく、存在感があり堂々としている牡丹。中国では、国の代表花として牡丹があげられ、数え切れないほどの逸話や美術に登場します。
八十八夜
八十八夜は季節を知らせる雑節のひとつ。立春から数えて88日目の日を指し、毎年5月2日頃がこの日に当たります。(閏年は朔日です)「八十八夜の別れ霜」といわれるように、この頃から霜が降りなくなり、日に日に夏めいてきます。八十八を組み合わせると「米」という字にもなり、農家では稲の種まきや、茶摘みが始まります。
「夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘みじゃないか あかねだすきに菅の笠
日和続きの今日このごろを 心のどかに摘みつつ歌う
摘めよ 摘め摘め 摘まねばならぬ 摘まにゃ日本の茶にならぬ」
この文部省唱歌の「茶摘み」がきっかけで、八十八夜といえば茶摘みというイメージが定着しました。実際の茶摘みの時期は九州から北上していくので、八十八夜のころはだいたい関西あたりが茶摘みの時期になることが多いようです。絣(かすり)に赤いたすきがけの茶摘みの衣装はこの季節の風物詩でもあります。また、八十八夜に摘んだお茶を飲むと長生きするともいわれています。
夏の二十四節気 立夏 の圓應寺の行事
二十四節気のひとつで、暦の上ではこの日から立秋の前日までが夏になります。
また、このころはゴールデンウィークの時期。レジャーに出かけるにも、よい気候ですね。
・蛙始鳴(かわずはじめてなく)5月5日頃
春先に冬眠から目覚めた蛙が鳴き始める頃。ウォーミングアップを終え、元気に水田の中をスイスイ泳ぎ、活発に活動を始めます。オスの蛙の鳴き声は、メスの蛙を恋しがって鳴く声だともいわれています。「かわず」は蛙の歌語・雅語。
5月 5日 日 11:00 弁財天月法要・お経の勉強会
5月 5日 日 端午の節句祈願
「端午」とは、「月の初めの午(うま)の日」を意味しますが、5月が十二支でいう午の月であることから、「端午」といえば5月5日をさすようになりました。
菖蒲(しょうぶ)と蓬(よもぎ)で邪気祓い
古代中国では、この時期は雨季にあたり、病気や災厄の祓いは大事な行事でした。盛りを迎える香り高い菖蒲や蓬が邪気を祓うとされ、蓬で作った人形(ひとがた)を軒に飾ったり、菖蒲酒を飲んだり、菖蒲湯に浸かって邪気祓いをしていました。
大空を泳ぐ鯉のぼりは、初夏の風物詩。目を閉じると、幼い頃を思い出す方も多いでしょう。
古代中国から伝わった「端午」の行事は、日本で「端午の節供」となり、その意味や祭りは長い間に幾度も変化し続けてきました。あるときは、皆のために。またあるときは、乙女のために。
人々の生活にいろいろな形で浸透してきた5月5日は、今も昔も元気をくれる日といえるでしょう。
いまも残るお田植え神事
旧暦では6月に当たっていたため、梅雨入り前に豊作を願う祭りが多く行われており、いまでも全国各地でお田植え神事が行われています。田植えの神様は男性なので、女性が主役の祭りが多いのが特徴です。
昔は、稲を田んぼに植え付けるのは女性の仕事でした。今はほとんど機械化されていますが、当時の神聖な行事を後世に残すため、そして豊作を祈るため、各地で神事が行われています。天候を占ったり、田楽(でんがく)を舞ったり、お田植えの神事は郷土色豊かです。また、お田植え神事は端午の節供と深い関係があります。
5月 6日 月 14:00 圓應寺寺子屋【お香教室】
・蚯蚓出(みみずいずる)5月10日頃
冬眠していたミミズが土の中から地上に出てくる頃。他の生き物は「啓蟄」の頃に出てきますが、畑土をほぐしてくれるミミズは、動き始めるのが少し遅めです。ミミズはマイペースに活動を始め、土を肥やしてくれる影の努力家です。
5月12日 日 18:30 ~静の瞑想(meditation)~圓應寺マインドフルネス浄土禅『ウエサク』
ウエサク祭(2024.5.23)
アジア各地の多くの国の文化に伝播して、それぞれの仏教文化特有の方法で行われる年に一度の祭りです。南伝仏教ではこの祭りは三大仏事である、釈迦の誕生日・悟り(ニルヴァーナ、涅槃)の日・入滅(パリニルヴァーナ、般涅槃)の日が同じ月の同じ日に起こったこととされます。大乗仏教(北伝仏教)の伝わった東アジアではウエサク祭の代わりに灌仏会を行ないます。日本においては降誕会・成道会・涅槃会は別々に行われ、灌仏会は4月8日となります。
ウエサク祭の正確な開催日は、その地域や宗派の採用する暦によって異なり、仏滅紀元を採用する上座部仏教では、満月の出る日(たいてい仏滅紀元の5月か6月)にウエサク祭を行います。私たちも五月の満月の夕べにウエサクを祝うのもいいでしょう。
5月 14日 火 13:00 ~響の瞑想(meditation)~圓應寺 読誦行
・竹笋生(たけのこしょうず)5月15日頃
たけのこが出てくる頃。たけのこは成長が早く、一晩でひと節伸びると言われています。伸びすぎないうちに収穫しなければ、美味しいたけのこは味わえません。種類によって収穫期は異なるので、三月から六月頃まで収穫できます。
5月15日 水 9:30 ~淨の瞑想(meditation)~ ココロを磨く、整える 作務
夏の二十四節気 小満 の圓應寺の行事
・蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)5月21日頃
蚕が桑の葉を盛んにたくさん食べて成長する頃。蚕がつむいだ繭が美しい絹糸になります。人々の暮らしを支えていたため、「おかいこさま」と敬称をつけて呼ぶ地方もありました。
・紅花栄(べにばなさかう)5月26日頃
あたり一面に紅花の花が咲きほこる頃。紅花は古代エジプト時代から染料として利用されていました。また口紅になり、珍重されました。花びらの水に溶ける黄色の色素と、水に溶けない赤の色素から、紅色がつくられます。
5月26日 日 18:45 圓應寺 写経写仏会
・麦秋至(むぎのときいたる)5月31日頃
麦が熟し、たっぷりと金色の穂が実り始める頃。「秋」は実りの季節を表し、この時期に穂を揺らしながら吹き渡る風は「麦の秋風」。百穀が成熟する、麦にとっての「秋」です。また降る雨を麦雨と呼びます。