水無月の「無」は、神無月の「な」と同じく「の」にあたる連体助詞「な」で、「水の月」という意味です。
つまり元々は「水月」だったのですが梅雨で雨が沢山降るため。
雨に対するあまりの恐怖に、「水月」と書かず、言霊信仰として「水無月」と書き、出来るだけ梅雨が短くなるようにと願ったわけです。
また陰暦六月は田に水を引く月であることから、水無月と言われるようになったとも言われています。
一説には旧暦の六月は梅雨が明けた時期になるため、新暦に当てはめて解釈するのは間違いで、水無月は「水の無い月」とするものもあります。
夏の二十四節気 小満 の圓應寺の行事
陽気がよくなり草木が成長して茂るという意味です。農家では田植えの準備を始める頃。動物や植物にも活気があふれます。また、秋にまいた麦の穂が付くころで安心する(少し満足する)という意味もあります。
・麦秋至(むぎのときいたる)5月31日頃
麦が熟し、たっぷりと金色の穂が実り始める頃。
百穀が成熟する、麦にとっての「秋」は実りの季節を表し、この時期に穂を揺らしながら吹き渡る風を麦嵐、また降る雨を麦雨と呼びます。
6月 2日 日 11:00 御忌会法要(檀)
6月 2日 日 12:00 檀信徒総会
6月 2日 日 13:00 御忌会法要(永代供養)
夏の二十四節気 芒種の圓應寺の行事
「芒」とはイネ科植物の穂先にある毛のような部分のことで、稲などの穀物の種をまく時期という意味です。
田植えの目安とされ、農家が忙しくなる時期。
梅雨入りも間近で少し蒸し暑くなってくる頃です。
・蟷螂生(かまきりしょうず)6月5日頃
かまきりが秋に生みつけられた卵からかえる頃。
ピンポン球ほどの卵から数百匹の子が誕生します。
かまきりは農作物には手をつけず、害虫を捕まえてくれる、私たちにとってありがたい存在です。
稽古始め
子どもに習い事をさせる時、始めるのはいつからが良いのでしょうか。
寺子屋や私塾では、初午に入門する習わしがあったそうですが、楽器や舞踊などの伝統芸能では、子どもが稽古を始めるのは6歳の6月6日から始めると上手になるとされています。これにちなんで、6月6日には「楽器の日」「邦楽の日」「いけばなの日」などが制定されています。
世阿弥(ぜあみ)の著「風姿花伝(ふうしかでん)」が由来
室町時代に能を大成した世阿弥が著した能の理論書、「風姿花伝」の中にその由来の一つがあります。
「風姿花伝」は、子どもの成長とともに芸の稽古の有り様を説く「年来稽古条々(ねんらいのけいこのじょうじょう)」から始まっています。
この冒頭に、「一、この芸において、おほかた、七歳をもてはじめとす」とあり、「習い事を始めるには数え7歳(つまり満6歳の年)がもっとも良い」と説いています。
大まかな内容は次の通りです。
「能楽の稽古は、だいたい七歳くらいで始めるのが良い。
この頃の能の稽古は自然にまかせること。どんな子でも、やりたいようにやらせておくと、自然に出てくるやり方の中に必ず個性が見えてくる。
型にはめず、その子の好きなようにやらせておくのが良い。
この頃はあまり細かく教えたり、口うるさく注意したりすると、やる気を無くしてしまう。
基礎的なことだけを教え、それ以上のことはさせてはいけない。
子どもの中にはもっと演技ができる者もいるが、あえてそのようなことは教えないほうがよい。
格の高い大きな場所には出演させてはいけない。
ちょうど良さそうな、その子の最も得意とする役柄で出してやるのがよろしい」
子どもを叱らず、のびのびと楽しく稽古させている姿が浮かぶようですね。
このような、「褒めて伸ばす」教え方は、現代の教育にも通じるところがあり、古さを感じさせません。
6月6日の訳
江戸時代になると、歌舞伎の台詞として「6歳の6月6日の・・・」と6続きのゴロの良い言い回しが使われるようになり、それが定着し、習い事を始めるのは6歳の6月6日からというのが定着したようです。
また、別の由来として、数を数えるとき、親指から順に指を折って数えていくと、6のときに小指が立ちますね。「小指が立つ」→「子が立つ」ということで縁起が良い6歳の6月6日になったという説もあります。
稽古の意味
ところで、「稽古」ということばの意味をご存知ですか?
「稽」は「考える」という意味で、「稽古」は「古(いにしえ)を考える」という意味があります。
芸能や武術、技術などを習うことや練習することの他に、昔の書を読んでものの道理や故実を学ぶことも稽古といいます。
何かを習うとき、その習い事の由来や歴史を考え、伝統を大切にしながら身につけていきたいものですね。
6月 9日 18:30~動の瞑想(meditation)~圓應寺 礼拝行 『芒種』
・腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)6月10日頃
ホタルが草の中から暗闇に光を放ちながら、飛び交う頃。
昔は腐った草が蛍になると考えていました。
きれいな水辺に住んでいると思われがちですが、野原でも蒸れて腐りかけた草の下で、明かりを灯し始めます。
6月11日 入梅
梅雨に入ることを「入梅」といいますが、農作業をする上で雨期を知ることはとても重要なことなので、江戸時代に暦の上での「入梅」が設けられ、雑節のひとつとなりました。
昔は芒種以降の最初の壬(みずのえ)の日、立春から135日目などとされていましたが、現在は太陽の黄経が80度に達した日とされています。
暦の上ではこの日から梅雨ですが、実際は気象庁の発表する「梅雨入り宣言」が目安。南北に細長い日本は、北と南では気候も大きく違い、梅雨入りも梅雨明けも、ほぼ南の方から順にやっています。
梅雨の期間は約1ヶ月半から2ヶ月くらいで、年によって変動します。
「入梅」に対し、梅雨明けすることを「出梅」といいます。
6月10日 月 11:00 弁財天月法要・お経の勉強会
6月11日 火 13:00 ~響の瞑想(meditation)~圓應寺 読誦行
6月12日 水 14:00 ~武の瞑想(meditation)~ 拳禅一如
・梅子黄(うめのみきばむ)6月15日頃
梅雨入りと同じくして、梅の実が薄黄色に黄ばんで熟し色づく頃。
青い梅が次第に黄色みをおび、赤く熟していきます。
梅雨という言葉は、梅の実が熟す頃の雨という意味です。
黴(カビ)が生えやすい季節なので、「黴雨(ばいう)」と書くこともありました。
6月15日 土 9:30 ~淨の瞑想(meditation)~ ココロを磨く、整える 作務
6月16日 日 11:00 福岡大空襲戦災死者慰霊祭
二十四節気 夏至の圓應寺の行事
北半球では、太陽が最も高く昇り、1年で最も昼が長い日です。
ただ、日本では梅雨のシーズンでもあるので、日照時間が短く、あまり日の長さを実感できないかもしれません。
暦の上では夏の折り返し地点にあたり、夏至を過ぎると暑さが増して本格的な夏がやってきます。
・乃東枯(なつかれくさかるる)6月21日頃
冬至の頃に芽を出した夏枯草の花である「靫草(うつぼぐさ)」が黒ずみ枯れていく頃。
色鮮やかな夏の花が開花するという時期に、枯れていく花に思いを寄せた、古人の優しさを感じる言葉です。
・菖蒲華(あやめはなさく)6月26日頃
あやめの花が咲き始める頃。
あやめが咲くと、梅雨到来といわれていました。
端午の節供に用いる菖蒲(しょうぶ)ではなく、花菖蒲のことです。
6月 26日 水 14:00 ~武の瞑想(meditation)~ 拳禅一如
6月30日 日 18:30 写経写仏会
夏越の祓
六月の末日(晦日)は、十二月の大晦日と同じく「大祓(おおはらえ)」の日です。
この日は各地の神社で、罪や厄災を祓う「夏越の祓」が行われ、茅草でつくった輪をくぐる「茅の輪くぐり」が行われます。